ハッキング、エレガンス、ヴァナキュラー
* 橘玲の小説『HACK』に見られるように、ハッキングは「テクノロジーの、洗練された破壊」としてのエレガンスを持つ。 * しかし、情報社会の美学は変化し、ニュートラルなフォントや標準設定を意図的に使用するデフォルト主義が現れた。この変化は、スマートフォンやビッグテックの登場により、情報社会が技術的な専門家(ハッカー)だけのものではなくなったことと関連する。 * 現代のユーザーは「チューリング完全ユーザー(TCU)」と呼ばれ、その者たちは表計算ソフトで名刺をレイアウトするなど、汎用的なツールを本来の目的に関係なく巧みに使い、「個性的なデジタル・ヴァナキュラー」を形成している。 橘玲『HACK』に見るハッキングと国際情勢 「世界はHACKされるのを待っている/バグだらけのシステムだ」 そんなエピグラフに始まる冒険小説を読んだ。橘玲『HACK』、つい2週間ほど前に出た新刊だ。自分なりにあらすじを整理してみると、ビットコインで儲けた脱サラハッカーがシンガポール駐在の検察官に気に入られ、東南アジアと東アジアをまたにかけたスパイ活動を民間人としてさせられる、みたいなもの。 本作には